まずはじめに、CADオペレーターになるには、資格は必要ありません。
未経験でも大丈夫です。やる気と根性さえあれば、大抵の人は採用してもらえます。
ですが、それでも何か勉強して身につけたい!自身をつけたい!頑張った証をアピールしたい!という方は資格を受けてみてはいかがですか?
まっすー
目次
未資格でもCADオペレーターにはなれる。なぜ資格取得を目指すのか、必要性を解説
初めは誰しも未資格で入社します
僕は元プラント・機械関係の設計職の仕事をしていたので、日頃からCADオペレーターさんと接する機会があるのですが、CADに関する資格を持った人に出会ったことはありませんでした。
それはCADオペレーターさんだけに限らず、設計士さんでも同じでした。会社に入ってから、会社から取るように勧められて取ることはありますが、設計士になるために必要な資格はありません。
僕を含めみなさん未資格で最初は入社するんです。
なので、焦って「資格を取らなきゃ採用してもらえない」ということはないのでご安心を。
資格取得の勉強は、就職・転職活動の際に武器になる
CADオペレーターさんは、基本CADの操作のみでOKなので、そこだけ頑張ればとりあえずOKです。しかし、人によっては、数ヶ月かかっても覚えられないということもあるので、早めの習得が課題です。
そんな時に、「資格の勉強をしていた」という経験があれば、覚えが早く、教える方も教えやすいので、仕事がしやすいということになります。
そういう人は、気に入られて採用率もグッと上がります。ここが一番の資格取得のメリットです。
CADの資格取得のための勉強は、CADの操作だけでなく、製図・図面の知識も出題され、必然的にパソコン以外の知識も身につくので、「CADを身につける」には効率が良いんです。
今まで理系出身とかではなくても、まったく問題なくCADオペレーターは目指せるので、ぜひ資格を取得し、採用率を上げて、自身をつけてくだいさい。
CADの資格の種類一覧!一つずつ比較・解説していきます
現在、世の中にあるCADの資格・CADオペレーターにおすすめできる資格はこんなにあります。
- CAD利用技術者試験
- 建築CAD検定
- CAD実務キャリア認定制度
- Autodesk Master(オートデスク認定資格プログラム)
- Vectorworks操作技能認定試験
- CADデザインマスター
これから、試験の概要・いつに試験があるのか一つづつ解説していきますね。
CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験は、CAD扱う業界でも認知が最も高いと言われる資格の一つです。
受験者も年々増えていて、中でも女性の受験者も増えています。主婦・CADとは別の仕事している、といった方が何かスキルを身に着けたいと考えて受験されています。
試験は、
- 2次元CAD利用技術者試験基礎
- 2次元CAD利用技術者試験2級
- 2次元CAD利用技術者試験準1級(機械)
- 2次元CAD利用技術者試験1級(建築)
- 2次元CAD利用技術者試験1級(トレース)
- 3次元CAD利用技術者試験2級
- 3次元CAD利用技術者試験準1級
- 3次元CAD利用技術者試験1級
上記のように細かく別れており、大きく、2DCADと3DCADで試験が分かれています。
以下の記事で、CAD利用技術者試験の各試験の試験概要・料金・受験者の内訳(男性・女性)と合格率・難易度について解説しているので合わせてご覧ください。
建築CAD検定試験
建築CAD検定試験は、全国建築CAD連盟が運営する試験です。
試験では、CADでトレースする技術だけでなく、基礎的な建築知識が問われます。
試験開始から27年を迎え、総受験者11万人、国でCAD教育を実施する大学、短大、高専、専門学校、高校、職業訓練校、各種スクールなど、680校を超える教育機関などで広く採用されています。
年間1万人程の人が受けていて、建築CAD試験の中で最も認知度の高く、人気の資格です。
試験内容は、与えられた課題の建築図面を時間内にトレースを行って完成させる、このような試験です。
過去の受験者数推移
全国建築CAD連盟HPより引用
このように、建築CAD検定を受ける受験者が年々増加しているのが分かります。
試験日程
一般受験
年2回(4月・10月)
試験日は、それぞれの教育機関が予め設定されたいくつかの試験日(試験月の日曜日)のなかから都合の良い日時を選択し受験できます。
団体受験
年4回(4月・7月・10月・1月)
CADを教えている教育機関、たとえば大学、短大、専門学校、高校、職業訓練校、CADスクールなどの学生・生徒が、その通っている教育機関を会場にして受験することができる受験方式です。
受験会場
試験会場は、各スクール、全国の指定認定校約680校で受けることになります。
受験級は以下の4つです。最上級は1級ではなく、準1級です。公式HPによると、時期尚早でまだできていない、らしく試験方法や採点方法も環境が整っていないので設置していないとのことです。
- 建築CAD検定試験4級
- 建築CAD検定試験3級
- 建築CAD検定試験2級
- 建築CAD検定試験準1級
建築CAD検定試験(4級)
試験時間:2時間
試験内容
・柱・壁・間仕切壁(S=1/100)
・通り芯・寸法・通り芯記号(S=1/100)
・壁と窓(S=1/30)など
合否判断基準:200点満点中 130点~140点を目安とする
建築CAD検定試験(3級)
試験時間:2時間
試験内容
・階段平面図 (S=1/30)
・通り芯・寸法・通り芯記号 (S=1/100)
・柱・壁・間仕切壁(S=1/100)
・壁と窓(S=1/30)など
合否判断基準:200点満点中 140点~150点を目安とする
建築CAD検定試験(2級)
試験時間:5時間
試験内容
・設計者の描いたラフスケッチ(平面図)(S=1/100)をもとに平面詳細図(S=1/50)を完成させる
・平面図、断面図、屋根伏図、透視図(S=1/100)をもとに立面図(S=1/50)を完成させる など
合否判断基準:250点満点中 190点~200点を目安とする
建築CAD検定試験(準1級)
試験時間:4時間10分
試験内容
・配置図、1階平面図、外構(S=1/200)
・2階平面図(S=1/200)
・基準階平面図(S=1/200)
・断面図(S=1/200)など
合否判断基準:4図面すべて完成の場合を合格とする
CAD実務キャリア認定制度
CAD実務キャリア認定制度は、NPO法人CAD検定部会が実施する民間資格です。
この資格は、あまり知名度はありませんが、CADの実務的な技能を測る試験となります。以下の3つで構成されています。
- 3次元CADトレーサー認定試験
- 3次元CADアドミニストレーター認定試験
- CADアドミニストレーター認定試験
どの資格も在宅で受験でき、3次元CADアドミニスター認定試験は用意された試験会場でも受験できます。使用するCADソフトは特に決められていないので、お好きなソフトで試験に望むことができます。
3次元CADトーレーサー認定試験と3次元CADアドミニスター認定試験は、試験日前に事前課題があり、当日までに課題を準備しておく必要があります。事前課題は試験1週間前に受験者に提供されます。
どの試験にも学生割引があるので、学生の方は安く受験することができます。
試験日程
3つの資格とも同日程で行われ、詳しい日程は公式HPで告知されます。
- 9月下旬
- 2月上旬頃
試験時間:10:30~12:00(解答データの提出まで含めて90分)
願書申込み受付期間
3つの資格とも同日程で行われ、詳しい日程は公式HPで告知されます。
- 9月試験:8月下旬~9月中旬頃まで
- 2月試験:12月上旬~下旬頃まで
3次元CADトレーサー認定試験
受験料:13,400円(学生割引:9,300円)
事前課題:試験日1週間前、Web 試験ページより事前課題をダウンロードし、試験日当日までに課題を作成
3次元CADアドミニストレーター認定試験
受験料:10,300円(学生割引:6,200円)
事前課題:試験日1週間前、Web 試験ページより事前課題をダウンロードし、試験日当日までに課題を作成
CADアドミニストレーター認定試験
こちらは事前課題はありません。
CADアドミニストレーター認定試験は、9月、2月(年2回)のほかに試験会場単位で随時試験を実施しています。
受験料:7,200円(学生割引:5,200円)
Autodesk Master(オートデスク認定資格プログラム)
オートデスク認定資格プログラムは、全世界で20万人以上が取得している全世界共通の資格制度です。
主にAutodeskの製品に関する知識と操作技術を問われる問題が出題されます。
コースは2種類で、それぞれ対象ソフト毎に試験があります。
オートデスク認定資格プログラム|AUTODESK公式HP>>
- オートデスク認定ユーザー
- オートデスク認定プロフェッショナル
オートデスク認定ユーザー|初級者向け
オートデスク認定ユーザーは、初級者向けの試験で、以下の3つのソフトから選ぶことができます。
- AutoCAD
- Revit Architecture
- Fusion 360
AutoCADユーザー試験の概要
受験料:7,560円(税込)
試験時間:50分
問題数:30問
出題形式:選択式+実技操作
合格ライン:70%以上の正解率
Revit Architectureユーザー試験の概要
受験料:7,560円(税込)
試験時間:50分
問題数:30問
出題形式:選択式+実技操作
合格ライン:73%以上の正解率
Fusion 360ユーザー試験の概要
受験料:7,560円(税込)
試験時間:75分
問題数:30問
出題形式:実技操作
合格ライン:70%以上の正解率
オートデスク認定プロフェッショナル|中・上級者向け
オートデスク認定プロフェッショナル試験は、以下の2ソフトで行われます。
こちらは、中上級者向けの試験で、400時間程度使用経験のある方を対象としています。
- AutoCAD
- Invent0r
AutoCADプロフェッショナル試験の概要
受験料:12,960円(税込)
試験時間:120分
問題数:35問
出題形式:実技操作
合格ライン:80%以上の正解率
Inventorプロフェッショナル試験の概要
受験料:12,960円(税込)
試験時間:120分
問題数:35問
出題形式:実技操作
合格ライン:71%以上の正解率
Vectorworks操作技能認定試験
AutoCAD以外にもCADソフトのVectorworksの認定資格が存在します。
株式会社エーアンドエーが主催・実施するソフトの操作技能認定試験です。いつでも申し込みが可能で、合否通知は試験終了後にすぐ出ます。
Vectorworks操作技能試験|A&A公式HPはこちら>>
Vectorworks操作技能ベーシック認定試験
Vectorworksの基本操作と基本技術を測る試験です。
対象ソフト
Vectorworks Designer
Vectorworks Architect
Vectorworks Landmark
Vectorworks Spotlight
Vectorworks Fundamentals
受験料:3,000円(税別)
CADデザインマスター
日本デザインプランナー協会が主催する、AutoCAD・Jw-cadを使い、CADデザイン能力を測る試験です。
試験は在宅で受験可能で、資格取得後は、自宅やカルチャースクールなどで講師活動ができます。
CADデザインマスター試験|日本デザインプランナー協会公式HP>>
受験料
10,000円(消費税込み)
合格基準
70%以上の評価
試験日程
試験は、6日間のいづれかで受験することになります。
2019年2月20日~25日
2019年4月20日~25日
2019年6月20日~25日
2019年8月20日~25日
2019年10月20日~25日
2019年12月20日~25日
廃止になったCAD資格【平成29年度で廃止】|CADトレース技能審査
CADトレース技能審査は、平成29年度をもって廃止となりました。CADのトレースの正誤問題と、トレースの正確性とスピードを評価する内容の試験でした。
廃止となった理由は、公式HPによると、受験者の減少が主な理由だそうです。
この中でも元設計者目線でのおすすめは「CAD利用技術者試験」
この中で、元設計者目線でおすすめするなら、CAD利用技術者試験をおすすめします。
なぜなら、CAD資格の中で最も知名度・受験者数も多く、2019年現在でも受験者数が伸びていっているからです。特に女性の受験者が増えていて、中でも3Dの3次元CAD利用技術者試験に注目が集まっています。
3Dが今後の主流になっていくと思われますし、2Dの図面は無くならないと思いますが、「動画・アニメーション・モデル」こういった技術の需要が更に増えていくと考えられます。
「CAD・パソコンが全くできない」という方は、入門編の資格がありますよ。
CAD初心者・未経験の方は、2次元CAD利用技術者試験に「基礎」的な部分の出題がされる「2次元CAD利用技術者試験基礎」という試験があるので、まずはそれに向けて勉強すると感じがつかめると思います。
3次元利用技術者試験であれば、一番の下の級が2級からなので、2級から受けてみてはいかがでしょうか。2級でも合格率は5割ないので、しっかり勉強しないと合格できませんよ。
紹介した以外で、CADオペレーターが取ると力がつく・驚かれる資格|機械設計技術者試験
これまでに、たくさんの資格を紹介してきましたが、これ以外に僕がおすすめするのは「機械設計技術者試験」と呼ばれる試験です。
なぜおすすめなのかというと、僕が勤めていた会社でも設計者の人は取るように言われていましたし、「設計」という技術において技能を確かめることのできる唯一の資格だからです。
この資格はCADの操作に関する知識・実技を図るものではありません。
あくまで設計の根拠に必要な「力学・製図」という分野が問われ、1〜3級までありますが、3級でも難易度が高いです。
CADの資格を取るには効率の良い勉強が大事!
紹介したような資格を取るために、欠かせないのが勉強です。
色んな勉強法がありますが、自分に合った勉強法を選択して、効率の良い資格取得を目指したいですよね。
効率の良い勉強の仕方は、「掛けられる時間・お金」この点が関わってくるので、以下のご自身にあった適切な勉強法を選びましょう。
まずは自分で|独学で勉強する
資格を取得するなら、まずは独学してみる。これが正しい方法なのかもしれません。
費用を最小限に抑えられますし、自分のペースで。と考えている方にとっては好都合ですよね。各資格の公式サイトには過去問も掲載されているので、参考書と合わせて勉強するのがおすすめです。
CAD資格勉強に役立つ参考書【3冊】と間違いない資格のとり方
CADの資格で役に立つ参考書を紹介します。基本的に公式ガイドブックで傾向と対策をつかみ、過去問を解きまくる。この勉強法が間違いないです。
2019年度版3次元CAD利用技術者試験公式ガイドブック
2019年度版CAD利用技術者試験2次元2級・基礎公式ガイドブック
2019年度版 建築CAD検定試験公式ガイドブック (準1級、2級、3級、4級(AutoCAD、Jw_cad対応))
CADを独学におすすめな参考書はこちらの記事で解説しています。
できるだけ費用を抑えて先生による添削を受けたい方は|通信講座で勉強する
CADを費用をおさえつつ、先生による添削も受けたい。そんな方は通信講座がおすすめです。
体型的に、基礎から応用まで順番に勉強しつつ資格を取得したい、だけど自分のペースで勉強したいこんな悩みにも答えるのは、通信講座です。教室に通う時間も省けますし、料金も通学より安いです。
先生から直接指導してもらい方は|スクール・専門学校で勉強する
一人では頑張れない、誰かに教わりながら勉強したい、わからないところをすぐに教えてもらえる先生が欲しい、という方には、CADの専門学校がおすすめです。
CADが学べるスクール比較!アビバ、KEN、Winを検討中の方へ
結局どの勉強法がおすすめか|初心者はスクールに通う方法一択
初心者でありがちなのは、試験勉強と同じく独学でやり抜こうとすること。
CADというパソコンソフトの習得・資格の取得には、圧倒的にうまい人に聞きながら勉強するのがおすすめです。
勿体無いのが、自分で解決しようとして立ち止まること。人に聞けば一発なのに、時間をだらだら使って答えに身につけても、人から聞いても操作に関しては圧倒的に早いほうが良いです。
スクールに通うことで、一時的にお金が発生してしまいますが、CADオペレーター・設計士に就いてしまえば、時給換算にすると高時給なのであっという間に回収できます。
まとめ
以上、CADオペレーターにおすすめな資格について紹介してきました。
資格がなくてもCADオペレーターになれてしまいますが、資格を身につけることで、何もない自分に、自身をつけてくれる武器になります。
無駄な勉強は一つもないので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
CADオペレーターの履歴書の書き方と採用担当によく見られるポイント 未経験でもOK!CADオペレーターの志望動機の例文と好印象を与える書き方 なぜ?CADオペレーターはやめとけ言われる不思議な話 元設計士がリアルに解説!CADオペレーターの仕事内容、向いている人とは 【まず取得したい】CADオペレーターの人気資格6選を元設計士が解説 CADオペレーターは女性に向いている理由と仕事事情を解説 CADオペレーターが主婦におすすめな理由と仕事探しの方法を元設計士が解説 CADトレースの副業ができるサイト!元設計士が解説【2024年最新】 CADが学べるスクール比較!アビバ、KEN、Winを検討中の方へ CADのおすすめ通信講座を解説!元設計士が資料請求してみた CADの勉強方法を元プロ設計士が初心者の独学におすすめ本・参考書を解説