- CADの独学での勉強の仕方が知りたい
- 初心者・未経験から独学しても身につくの?
- おすすめの勉強法は?参考書は何がおすすめ?
今回は上記のような内容について解説していきます。
まっすー
僕自身、CADは大学でちょこっと、その後プラント設計会社に入ってガッツリ身につけました。
新入社員の頃には会社に夜遅くまで残って勉強してましたが、家でできる勉強法はないかと模索してました。勉強に関しては、「ひたすら図面を書きまくって、修正する」しかないのですが、効率のいい勉強法、CADの身につくスピードを上げる方法に関しては、特にCAD初心者・未経験の方におすすめできると思います。
目次
まずはじめに伝えたいこと
まずはじめにCADの独学と誰かに教わるこの2択だと思いますが、まずは独学での勉強の仕方について解説していきます。
僕のおすすめは、「誰かに習うこと」これに尽きます。なぜなら僕がそうだったからです。(当時の上司より学びました)
独学での勉強の仕方を理解しつつ、習う方法について解説していきます。
CADオペレーターになるための勉強は誰かに習うと圧倒的に早いです
僕自身、CADは会社に入ってから一から身につけて、毎日仕事の時間10時間以上触り続けて1ヶ月後にはある程度の操作はできるようになりました。
ですが、これはただ時間をかけたから、「自然とそうなった」だけであって、時間に関してはもっと短縮できたと思います。
会社では、CADの基本操作のざっくりとした教育は受けます。会社にとってのCADは、あくまで「CADを使ってお客様の要望の製品を作るための図面作成のツール」にしかすぎません。
会社はCADのスクールではないため、効率よく最短でCADを身につけるには、ちょっとナンセンスな気がしました。
しかも、いきなり「失敗できない、納期が合ってビクビクする・間に合うか緊張する」といった環境に置かれるので、精神衛生上良くありません。
間違いながらも身につきはしますが、上司に怒られながら身につけるのはしんどいと思いました。
短時間で書ける書き方を覚える
先程も触れましたが、線を書くという作業だけでも、CADの操作は何通りもの書き方が存在します。
なので、どれが一番はやく書けるのか・効率が良いのかを考える必要があります。
- 最初から描いたほうが早いのか
- コピーした絵を追加・修正していった方が早いのか
- 物体の半分描いたらミラーリングでいいのでは
- 同じ配列ならば、一つ描いてあとは、ある点を軸にコピーするだけなのでは
- 基点コピーで合わせたほうが、調整せずに済むのでは
- よく使う絵を保存して、いつでも引き出せるようにすればいいのでは
このように、日頃から効率化できそうなところはチェックしておきたいですよね。それが積み重なって財産になっていきますよ。
しっかり順序を踏んで勉強するなら誰かに習うのが得策
CADを教えてくれる人というのは必要だと思います。僕の場合は、上司がその一人でした。
初心者のうちは、「何をどうすれば」の状態だと思うので(僕がそうでしたので)
- まず初めに何をしたらいいのか
- 上手い人・作業が早い人はどうしているのか
- 「何ができている・できていない」の区別
このように分からない事だらけなので、独学はちょっと厳しいと思います。なので、初めのうちは、「教えてくれる誰か」が必要です。
それも自分の操作を見て、「間違い・もっと上手く方法」をアドバイスしてくれる先生がいると身につくのが早いです。最短で身につけたい方は、ぜひスクールを検討してみてください。
僕がおすすめするCADのパソコン教室
上記の通り。
KENスクールは、無難なAutoCADからハイエンドCAD講座と言われる(トヨタなどの車メーカーで使われる)CATIA・NXとったCAD講座があります。
特にCATIA・NXを身につけると、習得している人が少ないので、給料の良い(時給で言うと2500円ほどの求人もあります)会社に勤めることができます。
>>確実に身につくのは?CADパソコン教室の資料請求して比較してみた
CADパソコン教室よりも格安に学びたいなら通信講座もあります
CADのパソコン教室は入学金・受講料・教材費などがセットになっていないので、割高です。値段の観点から断念してしまう人も多いかと思います。
そんな方は、通信講座はいかがでしょうか。
教室よりも格安にカリキュラム通りに学べるので、取っ掛かりを掴むには最適です。一般的にまず「どんなことから、どういう順序で勉強するのか」が分かります。
以下で紹介する通信講座はどれも期間中質問し放題なので、分からない箇所は質問できて手を止めずに黙々と作業をすることができます。
>>CADの通信講座を資料請求して徹底検証してみた【どれがおすすめ?】
CADを独学するにあたって準備するもの
CADを勉強するにあたって、最低限準備するものがあります。参考書だけでは確実に身につきません。以下を参考に準備していいきましょう。
- CADソフト
- CAD用パソコン
- CADの参考書
- プリンター・コピー用紙
順に解説していきます。
CADソフト|シェアNo1のAutoCADを使おう
世界的シェアを誇り、日本でもCADを使う企業のほとんどがAutoCADが使われています。僕が働いていた企業でもそうでした。
AutoCADは、のライセンスは「サブスクリプション」と言って、決められた期間のライセンスを購入する形となります。1ヶ月・1年・3年から選べて期間が長いものほど1日あたりの金額が安くなっています。
最初の1ヶ月は無料期間があるので、まずはそちらで試してみるのがおすすめ。
CADパソコン|高性能なPC
CADを使用するにあたってPCの準備は必須となります。
2DCAD、3DCADによっても必要なスペックが異なり、価格差はありますが、2DCADのAutoCADLTですと、おそらくお持ちのパソコンでも問題なく使えるレベルです。
不安な方は、AUTODESKのHPより30日間無料でAutoCADLTが使えるので、まずはダウンロードしてちゃんと動くか確かめてみるといいです。
「CADパソコンを購入し快適な環境をまずは構築したい」という方は以下の記事でCADパソコンについて詳しく解説していますので、合わせて御覧ください。
>>CADに適したおすすめパソコンの選び方【高級な物を格安で買う】
CADの参考書を準備しよう
仮にスクールで貰える教材で勉強を勧めていくにしても、それだけでは物足りないです。
実際の例題や、CAD操作に特化している参考書があることで、足りない部分を補うことができます。
他にもソフト毎におすすめの参考書が異なるので、自分にあった参考書を選んでいきましょう。
プリンター・コピー用紙|図面チェックに必要
2DACDの場合、図面を書いたら必ず、図面チェックが必要です。
それは、画面で見た状態と紙にた状態とでは、見える部分が違うからです。紙にすると結構な間違いに気づけます。
仕事をすると必ずこのチェック作業をするので、今のうちからなれる意味でも完成したら、図面チェック。これを習慣化しましょう。
CADの独学法!操作をいち早く身につけるには出力→修正の繰り返しです
準備物が揃ったら、勉強のスタートです。あくまで、質問できる先生がいる前提で勉強法を解説していきます。
まずはカリキュラム(参考書)通りに、どんな操作ができるのか理解する
CADの勉強の第一歩として、CADの操作を覚えましょう。単純に線を引く、円を書く以外にも、複写、ミラーリング、計算、寸法線。
というように、覚えるべき操作がたくさんあります。
先程紹介した参考書を参考に進めていってください。こちらのサイトにAutoCADの各操作の使い方が解説されています。画像つきなので分かりやすいかと思います。
練習図面を見て、書き方が分からなそうなところをチェック
練習図面は、「大阪府職業能力開発協会」のHPから練習問題がダウンロードできます。
操作方法を学んだら、どんどん手を動かしていきましょう。
習うより慣れろとは、まさにこの事で、参考書を眺めていても一向に上手くはなりません。
CADの操作には、線を書くだけという操作でも何通りかの操作方法があります。その中でも、時短できる方法がいくつかありますが、まずは何通りか試してやって見ることです。
もし、作業中に以下のように思う箇所があったら、忘れないようにチェックしておきしょう。
- この部分を描く時に、自分がやると明らかに時間がかかっている
- 書き方が検討もつかない
- 悩んで手が止まる
こいった状況に直面したら、書き留めておき、先生に見てもらうことです。
Googleに検索にかけても、自分は「そもそも何が分かってないかが分からない」状態なので、言語化できない場合が多いです。なので検索結果に求める答えが出るように、打ち込む事ができない事がよくあると思います。
操作で悩む時間というのが、実は一番もったいない時間の使い方です。「こういうやり方をすればいいよ」と先生に教えて貰えば一発なので、教える方も時間がかからないですし、悩んで自分の中で答えを出すよりも圧倒的に時短です。
図面をひたすらトレース
手を動かし、「どのボタンを押したら、どういった操作ができるか」を理解したら、できあがっている図面を見てひたすら写す練習をしましょう。自分はまったく同じものが描けるのか。という練習です。
その際に気をつけるべき点が、まったくの同じ絵を書く。ということです。
「ほとんど同じだからこの書き方でいいや」ではいけません。
なぜなら、図面というの企業によって作り方や、規格が決まっているからです。
「こうした方が良いかも」と思い、変更した場合は「なぜそのように描いたのか」「その選択をすること事でどういったメリットがあるのか」が答えられないといけません。一つ一つの選択について「根拠」が求められます。
印刷して正しい線・大きさ・尺度で書けているかチェック
図面チェックで自分の間違いに気づけるように、必ず印刷をしましょう。
なぜなら、パソコン上で見える景色と紙で見える景色というのは、違いがありすぎるからです。
例えば、
- 余計な線が入っている→消す
- 線種が違う→変更する
- 印刷してみると小さく見える→縮尺を上げる必要がある
といった感じで、間違い・修正に気づけます。
図面を書く作業は、個人で完結してしまう作業です。ずっと描くことだけに集中していると、間違いに気づかず進める、というのをしてしまいます。
なので、一回印刷してみて、チェック。というのは必要です。初めのうちに気づかないと、後々修正が大変な絵の場合があるので、こまめな図面チェックは必要なんです。
当然ですが仕事になるとよりチェックが厳しい
これは会社に入ってからでも同じです。会社ではより厳しくチェックされるので注意が必要です。
まっすー
CADを独学する上で重要!作業時間を圧倒的に短縮する方法
初めのうちは、一つの操作に恐ろしく時間がかかってしまいます。それは、以下の事を知らないからです。これらを覚えて、効率よく仕事ができるようになりましょう。
超重要!ショートカットキーを覚える
実際に仕事が早い人、ほぼ全員がCADの操作は「ショートカットキー」で操作しています。
初めは、CADにアイコンが表示されていて、これを押していけば使いたいコマンドがうてる。間違ってないのですが、そのアイコンの場所までマウスカーソルを持っていくのが時間のロスです。
素早い操作にはこのショートカットキーを覚えるのが必須です。ぜひチャレンジしましょう。
この例は、最も作業効率が上がった方法で、上司云わく、これをやるかやらないかで同じ作業でも1時間も違うと言っていました。なのでこの方法はぜひ身につけてください。
CAD独学におすすめの本・参考書
CAD初心者にはまずこの本がおすすめです。基本操作の練習に最も企業が仕事で使うCADに採用しているCADと言えばAutoCAD。
基本操作を習得すれば後はそれの組み合わせ技で行える作業がほとんどです。
この本では初歩的な操作がオールカラーで分かりやすく解説されています。本は入門的な内容なので困った時の教科書にぴったりです。
AutoCADは30日間無料で体験版をインストールできるのでパソコンにおとして本を見ながら試してみることをおすすめします。
この一冊で基礎をしっかりと固めて実践で使えるテクニックを学びましょう。
2DCADの独学におすすめな本・参考書
現在、取り扱われている2DCADの分野で有名なとことがAutocADとjw-cadですが、企業で実際に使っているものはAutoCADがほとんどです。
勿論有料で、ライセンス料を支払うことで誰でも使うことができます。
実際に使われていない、使うことのないCADの参考書を見たところでいざ仕事で使えないと意味がないので、購入するならAutoCADの参考書を選びましょう。
一方で無料でインストールできるCADとしてjw-cadが有名です。
主に建築分野で使われているCADですがAutoCADの方が圧倒的に使われているのでAutoCADで勉強したいところです。ですが「無料でまずはやってみたい」という方にはおすすめ。まずはどんなものか触ってみましょう。
そんな時に役に立つjw-cadの参考書も以下で紹介していきます。
AutoCADのおすすめ参考書3選
はじめて学ぶ AutoCAD 作図・操作ガイド
先程も紹介しましたが、まずはこちらがおすすめ。AutoCADの練習にはとにかく手を動かすことが大切ですが、体系立てた順序で勉強しましょう。
この本では実際の業務に近い練習問題や実践的な問題を繰り返すことで実力が身に付きます。
まったくの初心者でも安心なオールカラーとなっているので読みやすいです。
AutoCAD 2023 操作の基本(総集編)【改訂版】
AutoCADのLTがあった時代から操作の基本を出している。基本操作本の総集編。
こちら1冊で実務でよく使う操作をマスターすることができます。
オールカラーで初心者の人にもおすすめできる1冊です。
だれでもできるAutoCAD【土木編】
AutoCADで土木図面を書きたい、編集したいという方向けの入門用にはぴったりのテキスト。
土木図面に特化しているので、土木では不要で余計な操作の説明がないので無駄なく学べます。
丁寧に解説されているので、初心者の方にも安心しておすすめできる1冊です。
Jw_cadのおすすめ参考書3選
やさしく学ぶJw_cad 8
jwcadを学びたいならまずこの1冊をおすすめします。jwcad入門書の売上No.1の書籍です。
CD-ROMには最新版jwcadを収録。パソコンが苦手な方にもわかりやすい解説と操作説明で安心!
建築図面の敷地図や面積表、日影図の作図方法も解説していて建築関係のCAD図面も描くことができます。
はじめて学ぶJw_cad8
こちらは超初心者向けの一冊。基本図形の作図方法、線の入れ方などjwcadの基本操作を一通りマスターすることができます。
付属のCD-ROMには最新版のjwcadが入っているのですぐに始められます。
こちらも文字やイラストが大きく読みやすさにフォーカスされているので、シニア世代の方にも定評のある一冊となっています。
CADを使って機械や木工や製品の図面をかきたい人のためのJw_cad製図入門
この本は建築以外の分野を対象(機械、木工、プロダクト)にした一冊です。
機械系で必要な機械製図の作図法を学ぶことができます。そしてこの分野でよく使う三面図やアイソメ図など練習することができます。
3DCADの独学におすすめな本・参考書
近年、2Dと同じくらいに3DCADの需要も増えてきていて注目されています。
モノの干渉や製品の仕上がりなどイメージしやすく、それがデータで見れるのでメリットが多い特徴があります。
有名なところでSOLIDWORKS、Inventer、Fusion360が挙げられます。
2DCADに比べ、あまり参考書が出回っておらず数が少ないですが、その中でのオススメを紹介します。
3DCADのおすすめ参考書3選
はじめての 3D CAD SOLIDWORKS入門
この本はSOLIDWORKSを初めて使う高校、大学生向けの本なので分かりやすい内容となっています。
最低限これだけは!という操作を厳選しているので初心者にぴったりです。
カラーで分かりやすく、ワンポイントアドバイスもあるのでどこが重要なのかが分かりやすい!
Fusion360操作ガイド ベーシック編―次世代クラウドベース3DCAD
3DCADと言えば高額というイメージがつきものですがこちらFusion360では実質無料で使うことのできる3DCADのソフトでAutoCADで有名なオートデスク社から出ているソフトになります。
全ページカラーで問題集の動画解説付きとなっており、基礎をしっかり学びたい人に最適な一冊となっています。
Inventorによる3D CAD入門
Inventorの参考書の数少ない中でオススメできる一冊。
冗長な解説を抜きにした必要な解説だけを書いた内容です。ゼロから作り上げる工程を順序良く開設されているので初心者でもCADの操作を確実にマスターできます。
CADを独学する上で注意したい事
独学には、
- 費用をかけずに学べる
- 自分のペースで勉強できる
といったメリットがあり、都合がいいのですが、自分に甘い人には向きません。
ですが初心者はまず独学がおすすめ
CADオペレータの仕事に就きたいでも。。実務経験ないし大学や学校にも行ったことがない。。
なんて方もCADの独学は不可能ではありません。
なぜならCADオペレータの仕事には経験や資格は必要ないからです。CADを学べるスクールや通信教育はいくつもありますが、お金はかかりますし、何しろカリキュラムや受講期間が定められているため、全て終わるまでに時間がかかってしまいます。
なので空いた時間自分のペースで勉強できる独学がおすすめで、まずは初めてみましょう。
身に着けるのには簡単ではありませんが「身に着けたい!!!」という強い意志があれば不可能はありません。
スケジュール管理をして目標を明確に
お金をスクールや通信教育に比べかけない分、甘えが出てしまい「今度やろう。」「後でいいや」など先延ばしにしたり、自制心が弱いと何かと理由をつけてやらなかったりしてしまいます。
CADの操作は毎日継続することが大切ですので、地道に手を動かしましょう。
「資格を取る!!」などと目標を決めて、しっかりスケジューリングをして勉強するようにしましょう。
>>CADオペレーターで資格を取るならどれがおすすめ?元設計士が解説
独学でCADソフトの操作を身に着けるのに必要な期間
CADのソフトの基本操作はだいたい1週間
平面的な2次元CADの操作であれば、毎日触り続けて1週間足らずで基本的な操作は使えるようになります。
ただし、それはあくまで基本的な話。
CADにはコマンドを覚えて素早く書くコツだったり、短い時間で書けるコツなど、一つの操作をやろうとしてもいくつものやり方があるので最も早いやり方をマスターするのには1週間では厳しいです。
例えば同じものを5個書いてそのうちのある条件に一致する部分を選択して変更。
何言ってるか伝わらないと思いますが、頭の中で「あ~こういう風にやればいんだ」と分かるようにならないと途中で行き詰まり、やり方が分からなくてきつい思いをします。
まとめ
今回はCADを独学で学ぶための勉強法や、おすすめ参考書を紹介してきました。
紹介した本は、現在設計職に就く人やこれから学ぼうとする人にとっても持っておきたい一冊ばかりです。
特に初心者の方は、パソコンを触っていない空き時間に勉強できるので一冊持っておきましょう!
CADのおすすめ通信講座を解説!元設計士が資料請求してみた
CADが学べるスクール比較!アビバ、KEN、Winを検討中の方へ
【まず取得したい】CADオペレーターの人気資格6選を元設計士が解説