CADについて知りたいけど見たことも聞いたこともないから分からない!でも知りたい!という方に向けて基礎的なことを中心に書いていきたいと思います。
以前僕は建設会社でプラント設計の仕事をしていました。その中でCADに関わる機会が多かったので、実際に現場を見てきた僕が詳しく解説していきたいと思います。
CADの知識がない方にも安心して書いていきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
CADとは?簡単に分かりやすく説明します
CADの略と読み方
CADとはという略でキャドと読みます。
C・・・Computer
A・・・Aided
D・・・Design
言葉の意味
Computer Aided Designという名のもと、コンピューターを使ってデザインするものということ。つまり、パソコン上で設計図を書いたり、製図をしたりするソフトのことです。
これまで手作業設計だった設計や製図をコンピューターが行い、日本語でコンピューター設計支援と訳されます。
自動車やスマトーフォン、産業用機械、冷蔵庫や洗濯機、掃除機など身の回りにある数多くの製品は、全て図面を元に作られていて、今ではCADはその図面設計、作図、計画をたてるのに欠かせないツールとなりました。
CADの歴史
CADは、1963年に2次元CADソフト「sketchpad」が生まれたのがCADの始まりです。開発者はアメリカの計算機科学者アイヴァン・エドワード・サザランド。
その後、大手航空機メーカーのロッキード社によって「CADAM」という2次元CADが開発されました。その後、「ADAM」というCADソフトが誕生し、現在のCADソフトウェアの約90%はこのADAMから来ているものだと言われています。
90年代になるとコンピューターが安価で買えるようにあんり、CADによるものづくりがますます普及していきました。
当初は2Dで製図する2DCADが主流でしたが、後に3DCADが生まれることになりました。
3DCADは複雑ない立体を誰でも認識でき、分かりやすいことから徐々に多くの企業で3DCADの導入が増えていきました。
現在は、2DCAD、3DCADを組み合わせた図面が、ものづくりの現場で使われています。
>>【関連記事】CADの歴史!誕生から進化、現在の最新ソフトとは
CADの特徴とは?
では、CADにはどういった特徴があるのか、以下で解説していきます。
正確の長さの線、図形が書ける
手書き自体は鉛筆やシャープペンシルのの書き味によって線の太さや大きさにばらつきが出てしまったり、書き手によって癖やこだわりが出てしまい、書き方が同じ図面というのは存在しませんでした。
CADが普及したことによりその問題は解消され、誰が書いても線の太さや図形の違いは感じられません。
設定の違いで変化はあるものの、正確なものを描けるようになりました。
修正が簡単にできる
今までは修正というと、手作業で行うのでとても大変な時間のかかる作業でした。紙に手書きで記入するので、修正時に他の箇所を消さないようにしたり、汚さないように注意しなければいけませんでした。
時には、紙が破れてしまうといった偶発的なトラブルも起こり、問題が後を絶えないそんな日々が続いたんのです。
CADが普及すると、コンピューターで修正したい箇所を削除・修正が簡単に行なえます。
データ管理が簡単になった
紙の図面は保安場所や劣化など場所を確保したり、保管方法に手間がかかります。
CADをデータ化したことによって、コンピュータやサーバー上に容量を確保することで保存も用意にできて、ネーム検索ですぐにデータを取り出せようになりました。
データの修正前と修正後のデータを見比べたり、元に戻したりもできるようになり、保管・保存の価値も高まりました。
2DCADと3DCADの違いとは
CADは大きく分けて、2DCAD、3DCADに分けることができます。ここでは、それぞれの特徴を解説していきます。
2DCAD
平面的なモノの様子を知りたいときに用いられるのがこのソフト。モノを作るときに平面図や正面図、側面図、断面図 などといったモノの平面的に表現した図面が必要となり、その図面に書いてある寸法の通りに製作されます。
言わば設計図面を作成するソフトとなります。
3DCAD
3次元CAD・・・3D空間に立体を描くソフト。2次元CADで書いたものを立体にすることができます。複数の部品を組み合わせることができ、2次元では分かりにくい干渉チェックやモノの大きさが立体で表示できるのでより理解が深まります。
汎用CADと専用CADの違いとは
汎用CAD
設計図といわれる図面が必要なジャンルは大きく分けて2つあるといえます。
一つはビルや家を建てる建築系。自動車や船を作る機械系。どちらにも使うことができ、共通した作図法、設計機能を兼ね備えたのが汎用CADと呼ばれます。
2次元的な線や円、2次元的な立方体や球、円錐などを組み合わせて作図することができどの分野にも扱える要素をオペレートできるものを言います
- AutoCAD
- JW-CAD
- Vevtor Works
専用CAD
一つのジャンルに特化した機能を有しているのが専用CADと呼ばれます。例えばプラントであるならば配管や、タンクがボタン一つで素早く入力でき作図することができます。
建築であるなら家や、ドア、窓、階段など欲しいものが線や円などスケッチをしなくても一発で呼び出すことができ、短縮できますよね。
- Revit
- AchiCAD
- CATIA
- PTC Creo Parametric
- NX
- SolidWorks
- Inventor
- Solid Edge
無料3DCADソフトは以下で解説しています。
フリーで使える3DCADを比較!おすすめの無料ソフトはどれだ
CAMとCAEの違いとは
CADとよく一緒に扱われるツールにCAMとCAEがあります。
簡単に言うと、CADは製図で使われ、CAMは製造、CAEは解析を行うツールです。
CAM
CAMとはComputer Aided Manufacturing の略で直訳で、コンピュータ支援機構と訳することができます。
パソコンを使って製品の製造(ものづくり)をすることを意味し、CADで製図、設計した図面を工作機械に送り実際に加工するためのプログラムの指令となります。
一般的にCAMを使うにはCADデータが必要で設計データをCAMのシステムに送り工作機械で加工プログラムに変換される形となります。
CAE
CAEはComputer Aided Engineering の略で、直訳でコンピュータ支援エンジニアリングと訳します。
コンピュータがCADデータが具品の性能を発揮できるかどうかシミュレーションを行い、目的の機能を発揮できるかどうか事前に解析するツールです。
設計を行いながら不具合を修正しながら、再設計を繰り返し、作ってみてダメだった。。。とならないようにCAEで製品の動きや特性を調べることができます。
2Dから3Dへ行うメリット
今では3DCADがどんどん普及していて、その便利さが故に2DCADと同時使用が当たり前となっています。これまで2次元の図面でしか表現しなかった方も3Dを業務に取り入れることで、以下の良いことがあるんですよ。
- 視覚的に物体をイメージしやすい
- 干渉チェックができる・解析も可能
- 複雑な形状や曲面のデザインが簡単
視覚的に物体をイメージしやすい
2DCADの場合、三角法を用いて書かれていて、見る人によっては理解に時間がかかってしまうこともあります。ひとそれぞれに書き癖が出やすく、省略したり、自己流で書いたりして、書き方が統一されていなかったりします。
一方3DCADは誰が見てもわかりやすいです。実態そのものが描かれているので理解しやすいです。あらゆる方向から角度を変えながら見れるので、形状確認が簡単です。
干渉チェックができる・解析も可能
3DCADは部品を組み付けた時に干渉しないか、確認するのが容易です。2DCADだとこの辺が、検討してもわかりづらいことがあり、完成品を作った後に発覚したケースが多発しています。
解析も合わせて行うことにより、製作するまでにCAD上で何回もトライアンドエラーをすることができるので、完成品を作った時に失敗が少ないです。
複雑な形状や曲面のデザインが簡単
3DCADが普及したことにより、自動車や機械のケースなどの曲面を形状もうまく表現できるようになりました。以前はデザイナーや職人さんに頼むことでしかクリエイトできなかったものが、我々が手を動かすことで可能となりました。
AUTODESKでは、2Dから3Dへの変換できるソフトがサブスクリプションという形で販売されています。以下のURLから詳しい内容に飛べるので、興味のある方はチェックしてみてください。
CADオペレーターとは
CADを扱う職業というと、思い浮かぶのはCADオペレーターなのではないでしょうか。設計士も扱えますが、ある程度年数が経つと、オペレーター業務からCADオペレーターの管理業務へと移行していきます。
CADオペレーターは文字通りCADの操作を専門に的に行う職業です。そんなCADオペレーターの実際の仕事内容・年収・辛いこと、などなど以下の記事で詳しくこちらで解説していますので合わせて御覧ください。
元設計士がリアルに解説!CADオペレーターの仕事内容、向いている人とは
まとめ
CADは設計者にとって必需品であり無くてはならないものです。CADは30年前から普及し、多くの場所で使われています。
今では昔と比べとても進化していて操作が複雑化し、難しくなっていってしまっていますが、技術の進歩にもトライしていかなければなりません。今後もますます進化は続くでしょう。