世界的シェアを誇るAutoCADとjwcadの違いを様々な観点から比較していきます。
これら2つのCADで悩まれている方の参考になれば嬉しいです。
AutoCADとjwCADの違い
市場シェア・使用率
ENN-NET ENGINEERING IT ONLINEが発表するエンジニアリング業界の主要企業を対象に、エンジニアリングITツールの使用状況についてアンケートをとった記録を引用。
対象は60社63事業部からの回答による。
アンケートの質問は「どの2次元CAD」を使用しているか?について回答したもの。
AutoCADとAutoCADLTが60%超え、その他CADが多くても20%未満といったところ。
(※AutoCAD LTは現在 AutoCAD、AutoCAD(業種別ツールセットを含まない)となります。)
jwcadは無料であるのが最大のメリット。資金力が少ない企業でも導入しやすいソフトですが、品質保証がなく、歴史も浅く信頼性が担保できないため導入している企業も少ないというのがシェアを伸ばせない理由の一つだと考えられます。
機能
jwcadは、2次元CADによる製図をメインに、
- 日影図作成機能
- 2.5D機能
- マウスで囲うだけのかんたん包絡処理(柱、梁、壁)
- 建具や設備の簡単作図機能
- 線種のカスタマイズ(色、線種、線幅)
といった建築設計に必要な機能を備えています。
AutoCADは、2D製図だけでなく3D製図にも対応しているため幅広いモデリングができるのが特徴です。
さらにAutoCADを導入するだけで、業種別ツールセットも付帯してくるため、複雑なドキュメント作成も瞬時製作可能。特定の業種に縛られない使用感であるため汎用性が高いCADとして人気があります。
インターフェイス
jwcadのインターフェイス
jwcadのインターフェイスはAutoCADに比べるととてもクラシカルな印象。パレットは白色。
一方でAutoCADは画像つきウィンドウで初心者の方でも直感的にコマンドを選択することが可能。
上部のリボンは設定でオフにしてすっきりさせることも可能です。
操作性
jwcadはマウスをドラックするとこのような時計のようなオブジェクトが表示され、マウスの選択角度によって寸歩であったり、円・円弧といったコマンドを起動させることができます。
図面の拡大方法は、マウスの左右ボタンを同時に押しながら拡大したい範囲を指定します。
AutoCADは基本的にショートカットコマンドをキーボードで入力して作図するのがツールパレットをマウスで選択するよりも早いです。
例えば、オフセットの場合、アルファベットの「o」を入力しEnterキーを押すとオフセットがコマンド入力されます。マウスを移動させ選ぶ時間を省略するため、スピーディーな作図が可能になるんです。
それ以外にもAutoCADにはたくさんのショートカットキーがあります。直線や円、面取りやトリムといった頻出度が高いコマンドはショートカットキーを覚えた方が早く作図できます。
扱えるデータ形式と互換性
扱えるデータ形式にも違いがあります。
jwcadの場合、AutoCADに比べて扱えるデータ形式は少ないです。3Dデータは扱えないのでより少なく感じるかもしれません。
jwcadの場合
.jww / .jwc / .dxf / .sfc / .p21
AutoCADの場合
.dwg / .dwt / .dxf / .dws
以下のファイルも読み込むことが可能でして、読み込みが完了するとDWGに変換されます。
pdf / .3ds / .sat / CATIA V5 / CATIA V4 / IGES / Invertor / JT / STEP / SolidWorks / Parasolid
ちなみに、AutoCAD LTでは以下のファイルは読み込めません。
.3ds / .sat / Inventor / CATIA V4 / CATIA V5 / DXB / FBX / IGES / JT / Parasolid / Pro/ENGINEER Granite / Rino / SolidWorks / STEP
このようにAutoCADは、多くのデータ形式に対応しているため他CADとの互換性も十分にあります。
価格
価格はjwcadが無料で使えますが、AutoCADは有料です。
AutoCADの料金はサブスクリプション方式を採用。月・年・3年の期間単位で販売され、必要な期間分だけの支払いになったため、一度に高額なCADソフト代を支払わずに住むようになりました。
AutoCADの料金は以下の通り。(すべて税込)
- 1ヶ月:8,800円
- 1年:71,50円
- 3年:193,600円
AutoCADには、単品ソフトだけでなく業種別ソフトが付いたCADセットも販売されています。
これらの料金については以下の記事にて解説しています。合わせてご覧ください。
AutoCAD(Plus)の最新価格と安く買う方法!セットライセンスでまとめるとお得
まとめ
今回はAutoCADとjwcadの違いについて解説してきました。
AutoCADは、古くからCADシェアを牽引する代表CAD。一方でjwcadは、無料で導入のハードルを抑えたCADとして多くの方に利用されています。
価格の違いだけでなくインターフェイスや使い勝手も大きく異なるため、活用現場に合わせて使い分けていきましょう。